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11/30稽古場ブログ

ブログをご覧いただきありがとうございます。
12月6日の初日までいよいよ1週間を切りました。
あと少し。
それゆえの苦しさ。

いま稽古場は「怯え」の空気が漂っています。

私の短く拙い経験上ですが、俳優は稽古期間中盤~終盤に入ると必ず、「怯え」に遭遇する気がします。
演出家から全幅の信頼を置かれている正に百戦錬磨なベテランの方も、若手勢も。
何に怯えるのか?
「神様の目線」に怯えます。
(あ、スピリチュアルな話ではありません。読み進めていただければ。)
自分の役が、ストーリー、シーンの中でどう見えるのか、どう判断されるのか、どこに向かうのか。そもそもここまでの蓄積なんか無いんじゃないか、気がつけばそれすら何も分からなくなるんです。
どこに神様がいるのか分からない。ただ確実に人目も憚らず視ているのは分かる。
この視座からすると、演出家さんは巫女さんであり、お告げを伝え続けてくれます。が、肝心の神様本人がいないため、普段信頼している巫女さんの言葉も分からなくなってしまう。
産みの苦しみ。
しかしある時突然、神様が降臨します。
まず相手の俳優を信じることに、そして俳優自身の中に。
1番怯えていた人が豹変することを何度も見たことがあります。
なーんだ、ここにいたのか。早く言って下さいよ、という具合に。
そして俳優が輝き始めます。そしてストーリーも。舞台も。
、、あ、私はお金が無いことと物をよく無くすことのほかは怯えが無いので、どうやらほぼ、神様の対応範囲外の虚弱体質のようなのですが、その分、座組の苦しみとハングリー精神が見えちゃう特異体質かも知れません。

現在、座組は決死の雨乞い中。
神様、恵みの雨と共に、早くみんなの元に行ってあげてくださいな。
、、あ、あとこの冬はちょっと暖かくしていただけると助かります。

そしてついに、俳優は舞台に立つと形となって眼前の神様を見ます。
おお、神様。
そしてびっくり、数が多い。
なんせ八百万の神いずる国。
神様はお客様。
そう、ここまでご覧いただいた、あなた様でございます。
あなたの人生のワンシーンを、ストーリーを、紡ぎます。
アンティークスの、平坦ではない山道を超えた山頂の景色をどうぞご覧ください。絶景であれ。

2017.11.30 投稿者 飯智一達
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